2017年11月14日火曜日

■ボブという名の猫 幸せのハイタッチ■

先週2度目の「ダンケルク」に続き、本日もイギリス映画。
この間ダンケルクのラストで、「イギリス王のスピーチ」を思い出したんだが、きょう観た映画はそのイギリス王のスピーチのプロデューサーが参加している。
その匂いがして、心地よかった。 
そう、暖かさと芯の強さ、品格、かな?
品とか、誇りって、人として持っていなければいけないものだと、改めて感じた。
それを心で伝えてくれるボブ。
う、なんて、素敵な。
人より頭いいんじゃないか、人より繊細なんじゃないか。
人よりも上。
監督が、ロジャー・スポティスウッド。
サム・ペキンパー映画の重鎮だったという人。
さすが。
音楽、ほっとする。
心地よい。
サントラ買うかも♪
なによりも、コヴェントガーデン。
大好きな場所。
マイ・フェア・レディもあそこが最初のシーンだし、当方の商売の原点もあの場所。
そう、コヴェントガーデンのアンティークのマーケットで初めて仕入れをした。忘れがたい。行ってた頃と、全然変わっていないようだ。
あそこで歌うのは、いい。
誰でも立ち寄るところ。
あんな感じのスペースって東京にはない。
ここなら、自由にしていいよって場所。

ボブとジェームスは、いろいろな人に愛されているけど、妬みもたくさんあって、トラブルにも幾つか遭遇していたのか。
映画みるまで、会った途端に、2人はハッピーみたいなのを想像していたけど、そうじゃなかった。
きっと、ボブがいなかったら、ジェームスは沈没していただろう。
ずっとこのまま映画の後も幸せであり続けて欲しいと願わずにいられない。
ボブ、長生きしてね♪
ずっと、ゴロゴロだよ〜。

2017年11月5日日曜日

■古今亭菊龍稽古会11月3日(金)■三井の大黒、千早振る

とても久しぶりで菊龍師匠のお稽古会に\(^o^)/
駅がすっかり変わっていて、またまた迷子に。
なんでか、ちっとも覚えられない。
だいたい、この稽古会、2回に1回くらいは、迷っているような気がする、、、^^; 
とにかくたどり着き、いつもの皆さんとご挨拶できてほっとする。

この日は「三井の大黒」と、「千早振る」
どちらも、かなり久しく聴いていなかった。
師匠も久しぶりという。
途中でつっかえるから、時間かかるよ、と前置き。
ああそうか、左甚五郎の噺だったっけと思い出す。
「ポン州になりたかった〜〜」
っていうところ、変でおかしくて、すごく好き♪
あの言い方が嵌まる噺家さんって、いない気がする。
それにしても、いま、その大黒様って、三井に有るのかな。
運慶先生の恵比寿様といっしょに並んでいるのかな。
フィクションなんだろうけど。観てみたい。

千早振る
これって前座噺だったのか。
知らなかった〜。
だけど、こうされてしまうとね、在原業平朝臣が創った傑作和歌が、もう、この意味になってしまうんだよねえ(笑)
以前、和歌披講のお稽古のとき、たまたまお正月にこれを披露するということになり、練習を、となったとき、一読で吹きそうになって困った。幸い、予定がまったく合わなかったので、お披露目にも稽古にも参加せずに済んだ。もしも参加していたら、いちいちにやついて、妙な奴と思われたに違いない。
で。
菊龍師匠の千早は、突如浪曲が混ざっちゃう。
円菊師匠に教わったとか。
ばっちりだった。
もしかしたら、師匠は少し恥ずかしくて、嫌だったかもしれないけど、あれは抜群。またやってほしいな〜〜♪

2017年10月18日水曜日

■ダンケルク■ぐさっと!濃密なノーラン監督との時間

密。まるで、ノーラン監督とふたりっきりでいるような。
言葉のない会話を続けているような。
海のザブン、ちくたくちくたく、鼓動。

2017年、イギリス、アメリカ、オランダ、フランス合作

セリフが極端に少ない。
主人公的な役割を担うフィン・ホワイトヘッドは全体で5分も喋っていない。

マット・デイモン系の顔、ノーラン様はお嫌いなのだろうか? それとも好きなのだろうか?
ハリー・スタイルズ、ちょっと似ている。

今回知ったこと。
ダイナモって、この撤退作戦のことだったんだ。
この親子と、友人のジョージ、気骨があって素晴らしい。

観るまでは、戦勝国側の映画は辛いなあという気持ちがあったが、観終わってみると、やっぱりちょっと悲しい。
だが、それはラストのみで、全編そういう気分になることはなかった。
むしろ、この気質が羨ましく、生まれ変わったらイギリス人がいいなと。普段はばらばらなのに、ピンチになると団結して事に当たれる、なにを差し置いても、それが優先であると皆信じている。
観終わったときの気持ちは、「英国王のスピーチ」とほぼ同じ。


空を縦横無尽に駆け抜けるスピットファイヤー!
この飛行機が主人公かな。

海も空も陸もノーランカラーに染まって、長い長い100分だった。
また観よう。
今年のナンバー1。
と思うけど、まだホドロフスキー始まってないなあ。 

2017年10月12日木曜日

■両国寄席■10月9日五代目円楽追善興行■主任萬橘

あわわわ〜
なんと!
4月の朝橘真打昇進以来の寄席。
聴きたいと思い焦がれていた萬橘の「死神」なのである。 
             ↑菊春の代打ちで小歌師匠。
ちょっと遅れていったので、仲入りくらいからだったかな。
母心が大いにウケて、ちょっとばっかり落ち込み気味の萬橘の枕。
噺家に向いていないんじゃないか、という自虐ネタだったけど、噺が始まるやいなや、、、、すごっ。
ってこんな書き方すると落語通には馬鹿にされるな、ははは。
いや、なんというか、聴きたかっただけのことはある!
これほどとは。
いままで聴いたどの死神よりも、主人公の死神がおっかないのだ。
萬橘のひとりひとりの登場人物の描き分け、この世のものと、そうでないものの、違い。鬱蒼としている死神の風体。
追い詰められた人間の捨て鉢な雰囲気。
わかる、この気持ち、といっとき共感させるのだが、そこにとどまらず、すぐ次の展開へもっていく運びの良さ。
抜群のテンポ、間合い。
そう、間。
あの間は、言葉で言い表せない。
聴いてみて確かめるしかない。

いつぞや、広瀬さんが、萬橘さんの死神は鬼気迫るといっていたが、ほんとうだ。
あまり鬼気迫るという言い方は好きじゃないのだが(昔散々使ったので、いま、思い返して恥ずかしいので好きじゃない^^;)、ぐっとくる表現だなあ。 
今年のうちにもう一回くらい、萬橘聴きにいきたい♪

2017年9月26日火曜日

■教授のおかしな妄想殺人■エマストーンはきれいだなあ

ううん、一応、ラベルはブラックコメディいれたけど。
どうなんだろう。
だって、一度だって笑ったかな??
たぶん、笑ってないし(笑)

ま、久しぶりの映画鑑賞だったこともあり、調子がでていなかったのかもしれないけど。
そう、実に久しぶり。
ずっと、ひきこもり。
というか、出ることができなかったというか。
やっとぼちぼち、外出できるようになったというか。 

めでたい映画鑑賞復帰第一作は、ラ・ラ・ランドが印象深いエマ・ストーンがヒロインの、「教授のおかしな妄想殺人」

2015年
ウディ・アレン監督 

ウディ・アレン・・・どうなんだろ、好みが別れる監督。
なぜかな、風貌かな?
キャストは魅力的。
いつも、あー、ウディ・アレンかあ、でも、コリン・ファースだし〜いっか、みたいなノリで選んでることが多い。
今回だって、エマ・ストーンなら!だったし。

なにはともあれ、エマ・ストーン観たいなあということで。
これは、ラ・ラ・ランドの前年ってことになるのか。
ラ・ラ・ランドのエマ・ストーンのほうが美しかった。
いやあ、この作品だって、充分美しいけど。
やっぱり、ウディ・アレンは人間の醜い部分とか、リアリティを求めてるようだし、あちらはミュージカルで、そういった部分は削ぎ落としているし。
っていう違い?
エマ・ストーンの服装が、夏らしく軽やかで、健康的なセクシーさ。それでいて、上品な雰囲気がよかった。

少し想像していたのと、違うかな。
って最初に戻るけど。
ちょいと重め。
それはそれで悪くない。
主人公はホアキン・フェニックスって、なんと、Her の人。
あの主人公もやや難解な人物だったっけ。

2017年8月21日月曜日

■アスファルト・ジャングル■どうしたって、マリリンモンローが♪

1950年アメリカ。
ジョン・ヒューストン監督。
シネマヴェーラ”フィルム・ノワールの世界”最終日。
最終週は黒澤満セレクション。
このプロデューサーさんは、松田優作で大ヒットを飛ばした人。 
スターリング・ヘイデン主演 すこし調べていたら、こういうのがでてきた。
“映画史上最も美しい男優”(パラマウントスタジオによるキャッチコピー)
たしかに。
すごく大きくて、ときどき憂い顔になるこのひとは誰?と思っていたけど、やはりそういうひとだったのか。
そして、最初、ケビン・コスナー?って一瞬なってしまった。
似てるかな、似てないかな。
素敵でソフト帽が似合う感じ、似てないかな。 
それにしても、ツッコミどころが多くて。
どうして、刑務所に入る前に立てた計画なら、その後の見直しをしないんだろう?
何年も経ってるのに。
ってちょっとネタバレになってしまうから、やめ。
マリリン・モンローが、演技抜群で、キュートでチャーミングで綺麗で、エロエロで♪
ひとつ文句があるとしたら、あまりにも出番が少ないってこと。
もっと観たかった。
ジェームズ・ホイットモア、渋い。
脇役がいいと、映画は確実にランクアップする。 

ドクのめくる相当ぼろぼろになったカレンダーはアルバート・バーカスのバーカスガールだったよね。
あのカレンダー欲しいなあ。。。 
主人公の恋人ドール( ジーン・ヘイゲン)
泣けちゃう。

2017年8月8日火曜日

■海辺のリア■ずどどん■誰か教えてあげてください■現代ではその遺言は無効だと■

重い!
ひとって、ひどい。辛い。
2017年
小林政広監督
音楽は佐久間順平   
音楽がいいと映画は引き立つ♪監督も音楽担当も共に、故高田渡のお弟子さん。高田渡の弟子というひとは、わたしの友人にもひとり、いたりする。 彼と出会って最初の頃、わたる、わたる、というので、一体誰のことかと思っていたら、高田渡なのだった。呼び捨てで驚いたものの、あ、師匠だったらそうか、と、納得したのである。で納得しながら、内心かなり羨ましかった。
さて、そんなわけで、ちょっとした縁を感じるこの作品。
いや、別に、小林監督も佐久間順平さんもお会いしたことはないし、勝手な物言いであること、平にお許しいただきたくm(__)m

役者数人の舞台みたいな映画。そしてその数人が豪華。
このひと、顔は知ってるけど名前がわからない、というひとが、ひとりも出てこなかった。これだけでも相当な資金が必要だったに違いないと、つい画面を観ながらリアルな計算をしてみたりする。
仲代達矢のリア王、黒木華のコーデリア。
なんでそそのかされるかなあ、リア王は。
そそのかされてその気になってる時点で認知だと思う。
リア王。呼吸をするようにセリフが出てくる。緩急波打つような。
誰も観てない海辺の舞台。強く、弱く、、、ほんとはみんなわかってるのか、認知はフリか?と思えば、やっぱり認知か、となってみたり。騙されたこと、ほんとは知ってる。騙したのは誰なのかも。 
ラストが好き。
人間不信になりそうだったけど、ひとまずよかった。
阿部寛ガラケー。強大な権力を持つ嫁原田美枝子はスマホ。
あべちゃん、社長なのに、なんだかなあ。社員に人気ないだろうなあ。しっかりしろよ、裏切るなよ、ってね。出てくる人物の中で、最も共感できないタイプかな。
小林薫の存在感はセリフひとつで、充分。 
仲代達のパジャマとコート、髪型、メガネ、決まってた。
歯も♪
しかし、海辺と山道、いったい何往復のロケだったんだろう?
気になる!! 
機材を抱えて移動したのか。お疲れ様ですm(__)m

2017年7月26日水曜日

■ニュー・シネマ・パラダイス■ひさびさにみた!シチリア■

ひさしぶり!
折りに触れ思い出し、心に引っかかっていた映画。
ニュー・シネマ・パラダイス。
やはり、とてもよかった。
ああそうなんだよ、こういうの観たかったんだ、という感じ。
イタリア映画ならでは、といいきれるほど、観てはいないけど。
画面の美しさ、空気のすやっとした透明感。
溢れるような情。
この情というものが、イタリアの映画ではしつこくなくて、けれど細やかに豊かに綴られる。道や、ひまわり、、、、
1988年公開
ジュゼッペ・トルナトーレ:監督
エンニオ・モリコーネ:音楽
トト!
なんて可愛くって、賢いの。
アルフレードとの取引なんて、実に素晴らしい。冷静さと、チャンスを見逃さない観察力。見習わなくては!
初見から随分経っているので、かなり忘れていた。新鮮だったり、このシーンはこのあとこうなる、と、思い出せるシーンがあったり、なかなか楽しい。
エンディング。
あれは、公開時のものなのかなあ。
ちょっと違うような気が、、、それとも当時見落としていた?
オープニングの賞歴はあとから足したものなのはわかるが。
いつかわかる日がくるだろうから、いまは疑問符のままで♪

2017年7月2日日曜日

■松竹大歌舞伎6月30日蒲田アプリコ■

歌舞伎ひさしぶり〜!
このところは、地元に年一回やってくる、この松竹大歌舞伎がもっぱらの楽しみとなっているが、去年はアプリコが改装工事でなかった!(T_T) 
今年は気合でチケット売り出し初日にはPCの前にスタンバイ。
前から6列目、はじっこ!
そう、花道の脇。
やはりここよ、ここが好きな場所。

今回は雀右衛門の襲名披露公演。
吉右衛門様♪

演目は妹背山婦女庭訓
口上
太刀盗人

妹背山のとき。
携帯を30秒位鳴らす人と、バイブを鳴らす人、ふたりもいて、ほんとううううううに!嫌だった。
ちょうど歌昇、米吉の見せ場にもかかわらず。
あれだけ、携帯の電源はお切りくださいと、上演前にお達しがあったにもかかわらず!! 
なぜ、切らない?
もしかしたら、嫌がらせ??
って勘ぐってしまうくらい長いこと鳴っていた。
携帯鳴らす人は退場でいいと思う。
ということで、演者も観客もやや集中力の切れた状態になってしまったが、そこへ雀右衛門のお三輪登場。
切ないお三輪、かわいいお三輪、かわいそうなお三輪に引き込まれ、疑着の相に変じたときには、さっきの携帯のことなどすっかり忘れ、拍手喝采。なんという演技力、技術力。
そして吉右衛門。
なんて、素敵なんだろう♪

口上はもちろん吉右衛門が仕切る。
ゆったりとして、舞台も客席もほどよくリラックス。
なんだか、鬼平の屋敷にでもいるような。

最後は舞踊。いわゆる松羽目物。狂言がベースになっていて、自然と笑ってしまう。
又五郎、種之助の軽快な踊りがとても面白く、このお二人の舞踊が機会があれば、また観たい。

2017年6月19日月曜日

■シネマッドカフェにて■ジョン・ウェインのポスター展を観る

昨今スカイツリーのおかげで、急激に観光地化した押上。
そのツリー近くのシネマッドカフェへ行ってきた。
そう、今回は映画観たよ的なことではない(*^^*)

映画のポスター展。

「ジョン・ウェイン生誕110年 大ポスター展」
である。
ウエスタン・ユニオン〜西部劇ファン最強の砦〜というマニアの間では有名な集団の企画で、約200点のジョン・ウェインのポスターが店内に飾られている。
なんだこのボリュームは!
芸術的な作品から、一体この絵は!ジョン・ウェインに見えない!みたいなものまで、びっしり。
飾りきれないので、三部構成で展示するのだとか。
観たのは二部。明日から、三部らしい。
おふたかたのコレクションなんだとか。
というようなことを、若山弦蔵みたいな素敵な声のマスターからお伺いした。

ジョン・ウェインのテキサス訛りが好き。
英語というと、どうもあのイントネーションがしっくりくる。
慌てない喋りで、聞いていると楽。

先日観た「トランボ」
あのひとは、赤狩りで、ジョン・ウェイン側にさんざん迫害されたわけで。トランボ作品はお洒落でユーモアがあって面白い。
やさしいお父さんのトランボに、ジョン・ウェインひどいことする!と、腹が立つ。
だけど、映画はいい。
駅馬車とか、アラモとか、黄色いリボンとか。
かっこいい。 
トランボ、ジョン・ウェイン、どちらの映画も素晴らしい。

さてここで、思考を飛ばしてみる。
もしも、トランボ脚本にジョン・ウェインが出たとしたら?
何役?
ううん、わっかんないなあ。
イメージが、、、
ローマの休日でなにするのかな?
やっぱ、ベスパより、馬だね〜。
スパルタカス?
相容れないふたり、だったのかなあ。
同時代の不世出の映画人が天敵同士なんて、もったいない!
大ポスター展の予定表↑

贅沢な店内の壁をちょっとだけ、ご披露つかまつるm(__)m↓


どんなもんだい??って、なぜ、得意がる???

2017年6月7日水曜日

■惑星ロボ ダンガードa対昆虫ロボット軍団■

こちらも、シネマヴェーラで同時上映。
1977年東映。25分。
松本零士原作のアニメーション。
アニメーションを監督するときって、どんな風にすすめるんだろう?
宮﨑 駿は自分で描いているが、どうも石井監督が絵を描いているようには思えない(*^^*)
アニメの進行をチェック、脚本、声優の演技、音などを総合的に見渡して、指示をだすんだろうか。 ちょっと気になる。

惑星ロボは登場するキャラクター達が宇宙戦艦ヤマトのようだった。主題歌も佐々木功で、ますます♪

■鋼鉄の巨人 『怪星人の魔城』『地球滅亡寸前』■

なんともまあ。
おととい、渋谷のシネマヴェーラにて。
悲しいことに、仕事がドタキャンとなり、こう気が抜けていてもしかたないなと、でかけてみた。
石井輝男監督十三回忌追悼特集である。
鋼鉄の巨人 『怪星人の魔城』
『地球滅亡寸前』 
前後編だが、タイトルはそれぞれついている。
1949年新東宝
宇津井健の特撮ヒーロー物。宇津井健のモダンなスーツ姿。なんてダンディなボルサリーノ。そして身を翻しただけなのに、もう、変身しているという瞬発力。
歌舞伎を思わせるような、または暗黒舞踏のような怪星人カピア達との華麗な格闘。 
どきどきする音楽は渡辺宙明。
シネマヴェーラのチラシをみると、たくさんの石井作品の音楽を手がけている。
当時石井監督は一発撮りだったんだとか。
スケジュール的にそうでないと進まなかったのか、そういう手法なのか、両方かなあ。
一年で何本も撮っていくには、一本の撮影時間を極力短く、無駄なくしないとできない。 苛酷にちがいない。
これってブラックといえばそうだけど、すきでやってるぶんには、ブラックなんかではなく、むしろ幸せな時間なわけで。石井監督のめっちゃくっちゃな放送禁止用語だらけの映画タイトルを眺めていると、失われた自由さをつい羨ましくなってしまうのだった。
この猥雑さ、ひとには必要じゃないかと。

2017年5月31日水曜日

■聖の青春■

2016年の作品。
監督:森義隆
松山ケンイチと東出昌大の対決が非常に面白かった。
村山聖という、伝説の棋士の物語。
大崎 善生作のノンフィクションを基にしたフィクション。
「3月のライオン」という、いま公開している映画で、主人公のライバルで親友でもある二階堂晴信というキャラクターがいるのだが、それもこのひとをモデルにしている。 
3月〜を観る前にぜひ、観ておきたかった。ということで、昨日は平日の真昼間というのに、お客さん多かった。
なんだか最近映画館がいつでも混んでるような気がする。
手堅い人たちが脇を固めている。
竹下景子、筒井道隆、というベテラン俳優が表に出すぎず、しっとりと情愛を醸し出す。
とくに病を宣告されるシーンの竹下景子が印象的だった。
お医者さんの非難になすすべもないお母さん。
お医者さんは、なんであんな言い方するんだろう。 ひどい、と、そこで聖の家族に対しての共感が生まれる。
映画ではこの共感というのが、大事で。
まあ、そういう類ではない映画ももちろんたくさんあるし、大好きではあるが、ちょっと置いといて。
共感ができると、その映画にのめり込める。
終わりまでずっと主人公の喜びや苦しみを共に味わいながら観ていける。観終わったあとの、満ち足りたような、つくり手の人々への感謝の気持ち。
そういうものを、聖の青春で味あわせていただいた。
興行的にどうだったのかは知らないが、観てよかった。
東出昌大は「あなたのことはそれほど」の怪演ぶりが話題だが、この作品中の羽生善治役はたいしたもの。
「桐島部活やめるってよ」以来ずっと売れている。すごい人。
松山ケンイチとふたりで、お酒を飲むシーンが素晴らしい。ネタバレになってしまうので、書けないけど、ほんとはとても書いてしまいたい。最も好きなシーン。
さて来週は3月のライオンと、シネマヴェーラの石井輝男監督特集にいきたいものだなあ。

2017年5月8日月曜日

■ラ・ラ・ランド■うわあ、やっぱり、セッションの監督。ひねくれもの。

セッションのデイミアン・チャゼル監督
2016 アメリカ

今年のアカデミー賞でもっとも多くノミネートされていた作品。
そろそろ公開が終わりそうなので、慌てていってきた。

予告編の映像が綺麗だったので、かなり期待していたのだが、思った以上の美しさ。
なんというか、色が氾濫しているが、背景が夜だったり、薄明かりだったりするので、そう激しくない。

ぎらぎらとしていたのは、ファーストシーンの渋滞の道路での華やかなダンスシーン。眩しく、躍動感に満ちていて、のっけからやられた感が。
その後は、歌舞伎の正絹生地の極彩色が、化繊や薄いオーガンジーの生地や暗めの照明で表現されているといえばいいのかな。 

たとえば。
初めて2人がきちんと会話をする場面。
エマ・ストーンは鮮やかな黄色のミニのふわふわしたドレスに、肩から大ぶりの真っ赤なトートバッグをさげている。(この赤いバッグは前半で何回か登場する)
で、靴。
パンプスなんだが、暗いので色がよくわからない。
まさか青や緑じゃないよねと疑っていると、おお、青だ!
助六みたい!
ありえない配色なんだが、違和感がまったくなく、画面に溶け込んでいる。
このブルーパンプスをタップシューズに履き替え、すでにレジェンドと化している2人の恋が始まるダンスシーンとなる。 
「理由なき反抗」がそちこちに見え隠れする。
この監督は映画が好きなんだなあ。
「エデンの東」ではなく、理由なき反抗、というところに、こだわりを感じる。
ラスト近くのショートストーリーは、幕末太陽傳の幻のラストをなぜだか思い出してしまった。
ライアン・ゴスリング。
一本だけDVDで鑑賞。
「ラースと、その彼女」
これが暖かな物語で。いまもときおり、思い出す。
まあ、古い人形を扱っているということもあり、人形が出ている映画は贔屓目になるというのもあるが。
なにか、これを観たとき、ちょっといっちゃってて、切ないオーラが漂う役者さんだなという印象が残ったんだが。
その雰囲気は変わらずある。
むしろ、切なさは加速したかも。
監督のMと、ライアン・ゴスリングのSが見事なタックルだ。

ネタバレになるから、書かないけど、このラストはミュージカル映画の王道じゃない。
相当なひねくれもんだね、監督。
しゃくだけど、次回作が楽しみ♪
監督の分身みたいなこの方も登場↑